連続ブログ小説「10/10の夢旅人」

第3話「再開」

「ダメだ!全然当たらない!」
あれから2週間、予想は続けているものの一向にパーフェクトへの道が見えないでいた。
「まあまあ、そりゃあ1発で当てるような人間も実際いるわけだけどさ、こういう予想事っていうのは何年経っても成果が出ないものなんだから、気にすんなよ…」
「うるせぇ!」
彼に罪は無いのだが、今の僕にはこの感情が制御できない。でも、彼はそんな僕に決して怒らず、笑顔で「まあ、がんばれ」と一声かけて部屋を出て行った。


このどうしようもない気分を入れ替えるため、僕は外に出て“あの像”の前に向かった。あの像を見ると不思議と気分が落ち着くのだ。しかし今日は暑い。そういえば25℃まで上昇するとか言っていたっけ。まだ春も始まったばかりだというのに。
そうしてしばらく像の前に立っていると、後ろからいきなり誰かが「わっ!」と驚かすではないか。まさかアイツが…と思ったが、それにしては声が高い。僕は後ろを振り向いてみると、それは見覚えのある顔だった。


「マリー!お前もここに来ていたのか」
「まあね。それにしても偶然ね。まさかこんなところで会えるとは思わなかった」
「まだ旅は続けているのか?」
「もちろん。そうじゃなきゃこんなところにいないわよ」


彼女の名前はマリーといって、昔からの幼馴染みである。しかし1年前から、子供のころからの憧れだったさすらいの旅に出ていて、会ったのは実に1年ぶりということになる。まあ当然か。


「でも、なんであんたもここにいるの?」
「お前は知ってるか、何でも願いが叶うっていう…」
「予想のやつでしょ」
「そうそう。じゃあもしかしてお前も…」
「まさか。私、そういうの興味ないからね。ただ旅が出来ればそれで充分よ」


確かにマリーは昔から、欲というものに興味が無いような人間だった。しかし、1人で旅をしていてそれでも興味がないというのはスゴイ。とはいえ、
「まあこうして旅に出られることが“欲”みたいなものではあるけどね」
そう言って彼女は笑顔をみせた。男勝りな性格ではあるが、こうやって笑顔をみせられるとやっぱりカワイイ…
「ちょっと、なにボーっとしてんの?」
「いや…」
何考えてんだ、僕は。今はそういう場合じゃないだろ。


それから僕は図書館に向かった。予想のための勉強は欠かせない。そして横には、マリー。
「あんたのその予想というのが気になるから、付いてきちゃった」
「邪魔すんなよ。僕はマジメなんだ」
「へぇ〜、そ〜なんだ〜」
と、イヤにニヤニヤした顔で僕を見る。そういう性格は直っていないみたいだ。


僕はそれから友人から既に調達した新聞、そして数冊の参考書みたいなものを本棚から取り出して、予想の準備は完了。

とうとう新学期!心機一転新たな気分でがんばろう!angela自身初のV6まであと一歩!しかし、上位陣をくぐり抜け一気に2位まで爆走した佐伯美愛白石涼子が撃破するのか!?3週連続3位に留まるKOTOKO最後に(?)意地をみせるか!?『2ヶ月連続』TOP5入り・神楽坂明日菜ほかは前作を越えられるか!?

そうか、新学期とかいうのも久々に聞いたなぁ…って、関係ない、関係ない。


まず注目すべきは跡部。「テニプリ」キャラソン通算100作目でオリコンもTOP10入り。これは一気に上位に食い込ませてもいいかもしれないな。じゃあトップを見るとしよう。
もう1曲気になるのが「大事 Da・I・Ji」。まさか2位まで行くとはなぁ。今週トップと考えてもいいかもしれない。でも、今までのデータで言うと、『angelaが落ちる時はいきなりポーンと落ちる』という感じで、今週はまだ早いんじゃないか、ということでangelaを残すことにする。でも、今までV6獲得って無いんだ。
KOTOKOはそれほど下がることはないと思うし、下の布陣を見ても4位としてもいいだろう。「ハッピー☆マテリアル」、3月期も発売されたみたいだけど、まだ入ってくることもないと思うし、下げずに5位キープで。ここら辺は結構直感。


さて、6位以下だけど、新曲投入を考えてみたが、いかんせんこれといった曲が見つからない。でも、先週2曲入ったし、入れないでも自然な予想は出来なくも無いので入れないことにする。
ガンダム」の曲がどちらも停滞気味であることを考えれば、ハイカラはいきなり10位にしてもいいだろうし、有坂さんのほうも一気に下げて、7位。川田さんもまだ上がってくると思うし。
あと、新曲2曲だけど、「テニプリ」のほうの票は跡部にいっているだろうから、今井さんを上げる形で、一件落ちゃ…


おっと、オープニングを忘れてた。うーん、今週は悩むなぁ。「ハッピー☆マテリアル(3月期)」も捨てがたいけど、既に発売してるし、発売後にわざわざかける曲でもないだろうな、ということで、これに決めた。
でも、「テニプリ」ネタも少々しつこいかな…。


1位 未来とゆう名の答え / angela
2位 大事 Da・I・Ji / 佐伯美愛白石涼子
3位 理由 / 跡部景吾
4位 地に還る〜on the Earth〜 / KOTOKO
5位 ハッピー☆マテリアル / 神楽坂明日菜ほか
6位 radiance / 川田まみ
7位 Life Goes On / 有坂美香
8位 Forever Blue / 今井ちひろ
9位 Dream Believer / 真崎修
10位 PRIDE / HIGH and MIGHTY COLOR
OP 約束 / 越前リョーマ


「よーし、じゃあ私も予想しよっ!」
「お前、ちょっとなめてるだろ?」
「だって、この本に書いてあるよ、予想したことが無い人がパーフェクト出したって」
「これはまぐれ…」
「そいじゃこれ貸して!」


「えーっと、この曲は伸びてるみたいだから、一気に1位に置いて、angelaっていうのがもうそろそろ落ちないと面白く無さそうね。
それから、こうして、こうしてっと。え、オープニング?何それ?うーん、アイツはこの曲選んだみたいだから、私はこれにしよ。
よし、できたっ!」


1位 大事 Da・I・Ji / 佐伯美愛白石涼子
2位 理由 / 跡部景吾
3位 未来とゆう名の答え / angela
4位 地に還る〜on the Earth〜 / KOTOKO
5位 radiance / 川田まみ
6位 Life Goes On / 有坂美香
7位 ハッピー☆マテリアル / 神楽坂明日菜ほか
8位 Forever Blue / 今井ちひろ
9位 PRIDE / HIGH and MIGHTY COLOR
10位 Dream Believer / 真崎修
OP ハッピー☆マテリアル(3月期) / 近衛木乃香ほか


「いや、それは無いだろ。それより、この曲とこの曲の…」
「うるさいなぁ、あんただって何回やってもダメダメなんでしょ」
「それを言うなよ!」


しかし、彼女の出現によっていつの間にかイライラがなくなっていた。