コワ決?
それは火曜日の夜の出来事。
下に降りてリビングでパソコンをしていた僕。テレビのチャンネルは8。おそらく「牛に願いを」でも観ていたのだろう。
突然ふと音が止まる。テレビを観ると右上には「ビデオ3」の文字が。
誰かチャンネルを替えたのか…?
しかし、部屋にいるのは大の字になって寝ている父親のみ。母親はお風呂に入っており、弟は自室にいるので、替えることは実質不可能。
仕方がないので、とりあえずチャンネルを8に戻す僕。
しばらくすると再び音が止まり、テレビを観ると「ビデオ3」になっていた。
まさか親父は寝ているフリでもしているのか…?でもそれならなぜ「ビデオ3」…?
だとしたら、テレビの故障なのか?それとも…。
もしテレビが故障したのなら、明日から「ヘキサゴンII」とか観られないじゃん…などと思いつつ、三度8チャンネルに戻す僕。
でもその前に1度2チャンネル(僕の家では通販チャンネル)にして、替わらないことを確認してから8チャンネルにした。
しかしそれでもしばらくするとまたまた「ビデオ3」に。
さすがにおかしいと思った僕は、リモコンが置いてあるテーブルの周りを見渡すことに。
しかしこれといっておかしなところは無さそうだ。ということはまさか、本当に“出た”のか…?
そんなことも考えつつ、最後に目に付いたのはグースカと寝ている父親であった。
白髪交じりの頭、腹をでかでかと出したお腹、トランクス姿…と順番に見回す僕。そして最後に、足元を見たその時!
親父の足元にリモコンが…。
そう、この“怪奇現象”の犯人は他でもない、グースカと寝ている親父だったのだ(写真はイメージ)。
実はこの部屋にはテーブルにあるリモコンの他、このようにポケットに入っているリモコンもあり、親父は足を使って人知れずチャンネルを回していたのだ。
僕はこの一連の出来事を母親に話したら、「ああ、それはよくあること」と言っていた。
だが、僕にとっては初めてのことだったため、本当に“出た”のかと思ったので、真実を知ることができて内心ホッとしたのだった。